代表理事冨田です。
小泉進次郎大臣ご夫妻に男の子誕生のニュース、おめでたいですね!
育児休暇取得も大変な調整が伴われたと思いますが、影響力のある方の取得で日本社会の空気感が少しずつ変わっていくといいですね。
小泉大臣のブログでも発表されていましたが、
「妊娠・出産によってホルモンバランスが崩れ、産後の孤独な育児によって「産後うつ」になる方が約10%もいる」日本の現状。
2018年に発表された国立成育医療研究センターの調査では、出産後1年未満に死亡した女性の死因で「自殺」が最も多かったと発表され、早急な対策が必要だと指摘しています。
またある調査(Combi town調べ)によれば、妊娠中に不安を感じたことがあるかという問いに対し、「ある」と回答した人が95%、産後「子育てが辛い」と感じたことのある女性は88%にものぼります。
私達は「ベビーシャワー」が、産前産後の孤独の解消など、現状を改善していくための架け橋になれると考えています。
【私自身の経験から】
私がベビーシャワーを体験したのはアメリカロサンゼルスに渡り1年半ほどたった、第2子の出産のときです。
ロスでできた友人達が私のために集まってくれ、持ち寄りランチで楽しい時間を過ごしました。
予定日より20日早く生まれてきてしまうというハプニングにみまわれ、準備が整っていないまま、アメリカの病院で例に漏れず2日で退院させられました。
言葉が思うように通じない国で、頼れる親類もおらず、そんな私たち家族を助けてくれたのはベビーシャワーをしてくれた友人達でした。
・体もまだ回復の途中、
・家には4歳の長女がいて、幼稚園への送迎もある(アメリカに送迎バスはありません)
・日本のように簡単にお惣菜なども売っていない
・常に究極の寝不足状態
あの時みんなの助けがなかったら・・・
長女の送迎を引き受けてくれ
時には自分の家のご飯のおかずを分けてくれ
「何か手伝えることがあったら言ってね」と言葉をかけてくれ
あの大変な1か月を乗り切ることができたのはまぎれもなくそのコミュニティがあったからです。
その後の子育ての中でも、幾度となく助けてもらいました。
【ベビーシャワーは何のため?】
先日もブログで触れましたがベビーシャワーはそのキラキラと華やかな部分だけを見て、滝川クリステルさんのベビーシャワーの時のようにこんな声もよく聞かれることです。
記事はこちら⇒★
「マタニティハイの状態にしか思えない」
「高齢出産だし、出産前にこういうのできるのがすごい。無事に生まれてくれればいいけど」
etc・・・
ベビーシャワーは「妊婦さんに寄り添い安産を願う」パーティです。
産前に信頼できるコミュニティを感じられることは、産後の子育てにも大きく影響すると感じます。
男性の育児休暇取得など、制度は整いつつありますが、取得率はたったの6%程度。
ワンオペ育児をせざるを得ない現状も多々あるでしょう。
地域のコミュニティにも、出かける気力さえないほど育児に疲れ果てている方もいらしゃるでしょう。
ネット情報は無数に溢れていますが、良質な情報ばかりとも限らず、「余計に不安な気持ちになってしまった」という声もよく聞かれることです。
100のネット情報よりも、話を聞いてもらったり、信頼できる先輩ママからの「大丈夫よ」の一言がどんなに救われることでしょう。
ベビーシャワーの発祥国アメリカの歴史を辿ると、植民地時代、贅沢な食事を提供する余裕のない貧しい植民地の女性でさえ、妊婦の家で「出産パーティ」なるものを開き、友人に囲まれながら出産の痛みを分かち合い、労働と出産を経験したといいます。
1940年代にはベビーシャワーがひとつの儀式として定着するわけですが、米国の家族の儀式に関する本の中で、歴史家のエリザベス・プレックは、「植民地時代や19世紀を通じて子供の誕生のために集まった女性の共同体は、女性の間の「ゆりかごから墓場まで」の精神的支援システムの一部だった」と説明しています。
前述の私の経験談は海外生活という特別な場所でのコミュニティであったかとは思いますが、置かれた状況や出産年齢に関わらず、産前・産後に安心して話ができる場所は必要不可欠です。
2019年の出生数86万人という深刻な人口減少に対し、私たちができることは「生みやすく育てやすい環境」を整えていくことです。
盛大なパーティも素敵ですが、2~3人で安産を願い励ます気軽なお茶会であってもいいと思うのです。
ベビーシャワーが生み出す「コミュニティ」や「時間」がこのような社会問題の解決への架け橋になることを切に願っています。